時間を眺めに 経年愉化の家

SINCE
2002

築22歳になりました

茨城県 鉾田の家 後編(家)

2024年、築22歳。鉾田の家は、人間でいえば、大人になったばかりというところ。

木造建築の寿命は、じつはとても長い。世界最古の木造建築・法隆寺は1300歳を誇る。それに比べて、近ごろの住宅はどうだろう。新築時をピークに価値がだんだん目減りしていく、経年劣化が常識……。


では、年月を重ねて価値が増していく経年愉化って? 鉾田の家で見ていこう。

頑丈で長持ちなログ材。メンテナンスをすれば、
びくともしない性能を保ちながら、味わいを増していく。

モデルはカントリーログハウス「クレスト」。ログ壁は、全塗装をし直しながら、長期的にメンテナンスしていく。そのおかげで鉾田の家も、色や質感の味わいを増しながら、とてもきれいな良い状態が保たれている。

経年と手入れによって雰囲気バツグンの外観に。
窓枠に塗ったグリーンのラインも効いている。

モデルはカントリーログハウス「クレスト」。ログ壁は、全塗装をし直しながら、長期的にメンテナンスしていく。そのおかげで鉾田の家も、色や質感の味わいを増しながら、とてもきれいな良い状態が保たれている。

無垢は生きている

さあ、家に入ろう。庭(前編)は住人のOさんの工夫がふんだんに表現されていたが、逆に家はほぼ完成当時のまま。間取りもデザインも、ベーシックな良さを気に入り、木の味わいや変化を愉しんできた。

「唯一、自分のカラーを出そうと、勇気を出して窓枠をグリーンにしました」。バランスを壊さず個性的になり満足しているという。たしかに。

玄関入ればすぐ、見渡す限りの無垢材。すがすがしいほどの吹き抜けの大空間。手作りのコーヒーテーブルは、22年間使い続ける愛着の品。

「捨てたがり」というOさん意思で全体にスッキリした空間。床もひろびろ。

友人に「床になぜこんなにいい感じのツヤがあるの? なにか塗っているの?」と聞かれるらしい。
「何も塗っていないよ。ただ素足で気持ちよく歩いているだけ」とこたえた。

2階ロフト。フローリングの溝のエッジが、歳月とともに丸くなり、よりやさしい踏みごこちに。

階段の手すりにも、いい感じのツヤが出てきた。壁の節、割れも。無垢だからこそ打てる釘穴も、様になる。

BESSほど無垢材を使う家は、他にあまり知らない。年々、色味も風合いも深まり、家族で過ごした時間が染みこんでいく。

解放感ある2階ベランダ。自然を感じられる借景が気持ちいい。

200年後を見てみたい

最後に、Oさんが話してくれた。「この22年間、夢の世界にいるようでした。家が大好きで、庭が大好きで、いまでもワクワクしながら暮らしています」

「できることなら、手入れしてきたこの家の100年後、200年後を見てみたい。1年よりも100年、200年たったログハウスが好き」



そうか、経年愉化って、夢のある話だなあ。



雄大な鹿島灘の海近く、鉾田の家で知った、経年愉化があった。



***



BESSの家は、一代限りではない。家族で住み継いでいく。家族以外の誰かに受け継がれていく。能力も魅力も、永く発揮する家になれる。



200年後を見たかったOさんも、BESSの「歳時住宅」という仕組みを活用して、家を受け継いでいる人を探している。この庭と家を大切にしてくれる人なら素晴らしい。


今回の経年愉化の家は、次の家族へバトンを渡そうとしている「歳時物件」です。

くわしくは、こちらから。

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