Vol.25

等身大サイズの“幸せ”

子供が生まれたので、そろそろ家をと、色々な住宅展示場を見て回っています。BESSの展示場に行ったら、他の展示場と比べて、モデルハウスが普通の大きさで、ナンカ拍子抜けしました。やっぱりモデルハウスはおっきくて、豪華で、夢を売ってくれなくちゃ・・・

BIGFOOTBOY

 うれしいね~、英国映画協会が発表した「映画監督が選ぶ史上最高の作品」ランキングで、小津安二郎の「東京物語」がベストワンに。なんといっても世界映画史上最高●●●●●●●●の評価だからね。投票した監督は欧米人が多かったらしいけど、単に異国趣味とかじゃなくて、独特のカメラ・アングルや図面の構図とともに、映画のテーマが、文化の違いを超えて感動を生んだんだろうね。「家族の関係」「期待と現実」「老いと死」・・・色んなテーマが白黒の静かな図面に織り出されるけど、象徴的に表しているのは、家族とさまざまなことがあった後の、老夫婦のしみじみとした会話・・・「欲を言やきりァにゃァが、まァええほうじゃよ」「ええほうですとも、よっぽどええほうでさ。わたしらァ幸せでさあ」「そうじゃのう・・・まァ幸せなほうじゃのう」・・・特別なイベントがあるわけでも、ドラマチックな出来事が起こるわけでもないけれど、日々の暮らしの中、小さな交流や、行き違いをも人生の味付けとして、“幸せ”を感じる。映画の中の老夫婦のような美しい諦観には及ばないけれど、おいら思うよ、本当の幸せってやつは、日常の中にこそあるって。
 おっきくて豪華なモデルハウスで夢を描くのもいいけど、少なくともBESSの展示場では、お客さんに、そんな日常から離れた夢(幻想?)を“売る”ようなことはしないよ。(第一、宝くじは別として、夢は売ったり買ったりするようなモンじゃないんじゃないかな。)幸せは日常の中にある。メーテルリンクの「青い鳥」みたいに。BESSの場合で言えば、日常の中の“非日常感”―その発見の中に、幸せを感じてもらえたらうれしいな。だから、BESSのモデルハウスは、あくまでも現実感のある等身大サイズ。そこで、BESSならではの楽しい暮らしを感じてもらえるようにと願っている。

豪華でデーンとしたモデルハウスと比べたら、確かに普通の大きさかもしれないけど、その中には、小さな発見や驚きのタネがつまっている。もしかしたら、子供がもう少し大きくなって一緒に来たら、まっさらな目がその楽しさを教えてくれるかもしれないよ。See you again!

「吐露byBESS」
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