Vol.29

every little thing gonna be all right!

初めてBESSの展示場に行ってきました。うまく言えませんが、なんか普通と違う感じがしました。どんなことを考えて家づくりをしてるのですか?

BIGFOOTBOY

 「夏、ビールだ、〇〇だ!」って、この季節、自然と気分がハイになるけど、〇〇の中身は人それぞれ、花火にキャンプにバーベキュー・・・お楽しみはイロイロあるけど、年々盛り上がっているのがレゲエ・フェス! ビーチで、スタジアムで、公園で、原色の熱気が渦巻いている。今じゃ、夏の風物詩のひとつだ。
 いつの頃からだろう、夏になるとレゲエのリズムがラジオから(はじ)けるようになったのは。街中の雑踏で、焼けた砂浜で、あの不思議なリズムが暑い空気を震わせる。♪ズン・チャッ・ズン・チャッ・・・タメのきいた、(あと)ノリのリズム。慣れない最初は音楽に合わせて踊っていると、関節がガクガクしてしまうけど、そのうち独特のリズムがクセになる。はるか海の向こう、ジャマイカ発祥の音楽。路上や公園にスピーカーを持ち出して踊る。ストリートから生まれた民衆の音楽だ。コロンブスに“発見”されて以来、ヨーロッパに支配されてきたジャマイカ。長い植民地の歴史を経て、’62年に独立。その独立運動の熱気を(はら)んでレゲエは発展した。自然の偉大な力、人生の喜びと悲しみを、カ強く、時に哀愁を帯びて歌う。実は、ゆったりと鷹揚に構えたリズムの中に、西欧が押し付けてきた物質文明への“抵抗”の精神が息づいているんだ。
 日本では一部の洋楽ファンのコアな音楽だったのが、’74年エリック・クラプトンがレゲエの“I shot the sheriff”をカバーして全米NO.1に輝くと、イッキに注目が高まった。ブルース・ロックを()ってきたクラプトンが、なせ突然レゲエをカバーしたのかわからない。70年代前半、過労と恋愛問題と友人の死やナンヤカヤで心身ともに疲弊していたクラプトンが、4年ぶりのレコードでレゲエを採り上げ、見事復活した。それ以来、古希に近い今でも前線で活躍している。「そんなにセコセコ急ぐなよ、兄弟」とでも言っているような、レゲエのあの後ノリのリズムには、人間性回復力が宿っているのかもしれないな。
 便利や効率を一番に求める物質文明。論理による良し悪し。それもひとつの価値観かもしれないけど、いや、いまだ大勢の価値観なんだろうけど、BESSは敢えては(くみ)しないね。最新の設備を前のめりで取り付けて競い合ってる住宅業界にあって、BESSはレゲエじゃないけど、後ノリのリズムだね。物質文明に“抵抗”とまでは言わないけど、ローギアでエンジンブレーキきかせながら前に進んでいる。もっと大事なことがあるんじゃないかな。そう、家自慢より、暮らし自慢。木に囲まれたおおらかな空間で、設備じゃなくて、人間が主役の生活。機機に頼りすぎず、ちょっとした手間や工夫が喜びにつながる暮らし。

レゲエの名曲も歌っているよ、“every little thing gonna be allright!”(どんな小さなことでも素晴らしくなる!)って。

「吐露byBESS」
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