Vol.37

BESSとバクダン

友達のブログを見てBESSのことを知り、展示場に行ってきました。ちょっと変わった家ばかりでしたが、どんな考えで家づくりをしているのですか?

BIGFOOTBOY

 空気のにおい、陽射しの角度、雲の形・・・秋の訪れを感じさせることは色々あるけど、しみじみと体の奥から実感されるのは、 ドンドンヒャララ、ドンヒャララ・・・どこからか、風に乗って聞こえてくる祭囃子の音。ハーメルンの笛吹き男について行ったネズミみたいに、思わずふらふらと後を追いたくなる。ネズミは川に落ちたけど、祭囃子が連れて行ってくれる所は、音と色と香りが渦巻く非日常の世界。さんざめく笑い声と、露天商の威勢のいい掛け声、アメリカンドッグにかけられたケチャップとマスタードの鮮やかな色、焼きトウモロコシの香ばしい香り、たこ焼き、水あめ、輪投げにスーパーボールすくい、ド派手なトッピングをまとったバナナチョコは現代アートのオブジェ? 晴れやかな秋空のもと、神社の参道や広場で、日がな一日にぎやかに繰り広げられる。
 最近はあまり見なくなったけど、おいらの一番のお気に入りは、親しみと遊びごころをこめて“バクダン”と呼ばれているポン菓子屋さん。子供も大人も、珍しさ半分、怖いもの見たさ半分、ぞろぞろと集まってくる。大砲を思わせる黒いポン菓子機に生の米を入れて、コンロに着火。筒状の釜がグルグルまわって、カゴが取り付けられると、いよいよハイライト。ハンマーが振り下ろされ、ドッカーンという大きな音とともに白い煙がモウモウ。まさにバクダン!歓声と悲鳴が沸きあがる中、カゴの中にはポンポンにふくらんだ米が香ばしい香りを発して、うず高く盛り上がっている。知らない人同士が、「すごい迫力だったね!」「ホクホクしておいしい!」ポン菓子ほおばりながらバクダン談義。袖振れ合うも・・・じゃないけれど、バクダンをきっかけに縁の輪が広がっていく。
 BESSの家もバクダンみたいな存在でありたいな。愛嬌がありながら、普通じゃない何だかアブないにおいを放つ佇まい。日常のしがらみから心を解き放つ広々とした空間。遊びごころを刺激する土間やデッキや空中ベランダ・・・。ハンマーの代わりに斧を振り下ろして、薪をパッカーン! 炎ゆらめく薪ストーブはBESSの暮らしの真骨頂。体も心もホットにしてくれる。そして、ポン菓子屋さんの周りに自然と人が集まるように、BESSの家が出現すると、隣近所、最初は“!?”の思いで見やって、知らず知らずのうちに気持ちと足がそちらに向いている。そのうち、掃出し窓開け放ってデッキでお茶やブランチを楽しむ住人の姿に、思わず声をかけたりかけられたり。いつの間にか、食材もってバーベキューパーティの一員に。知らない人同士がBESSの家をきっかけに集まって、仲間の輪が広がっていく・・・。

ポン菓子バクダンはアメリカで発明されて各国に広がったらしいけど、こんな楽しいバクダンだったら、それこそ、その配備の数を競い合ってほしいね。

「吐露byBESS」
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