Vol.46

ブルー・スエード・シューズ

友人から教えてもらってBESSの展示場、いや、LOGWAYに行ってきました。以前、総合展示場に行ったこともあるんですが、全然違ってました。どんな考えでやってるんですか?

BIGFOOTBOY

 いつもおいらの頭の中で鳴っている曲がある。

♪オレの家を燃やしたっていい
大事な車を盗んだっていい
酒を飲んじまっても構わない
だけどオレのブルー・スエード・シューズだけは踏むなよ

そう、エルヴィス・プレスリーの1956年のヒット曲「ブルー・スエード・シューズ」。
 片田舎のトラック運転手の(アン)ちゃんが、母親の誕生日プレゼントのために、4ドルを握りしめ、自主制作盤を作りに小さなレコード会社を訪れた。それがすべての始まりだった。そこで才能を見出され、1954年にデビュー。その名が広まるまでに時間はかからなかった。それまでの歌手の優等生的なステージに対し、感情を絞り出すような生々しいヴォーカルと激しく身体を動かすパフォーマンス―若者達は熱狂し、オトナ達からは激しい非難と中傷を浴びせられた。挑発的なステージに、PTAは青少年の非行の原因とやり玉にあげ、「下半身を動かすな」とまで要求した。実際、有名なエド・サリバン・ショーに出演したときは、上半身だけしか放映しなかった。まだ人種隔離的空気があからさまだった50年代、エルヴィスは黒人のR&Bと白人のカントリー&ウエスタンを見事に融合させ、ロックンロールという“不良の音楽”の芽を吹かせた。いわば、価値観の転覆者だった。ジョン・レノンは「エルヴィスの前には何もなかった」と語り、ボブ・ディランは「初めてエルヴィスを聴いたとき、まるで監獄から解放された気分だった」と告白し、デヴィッド・ボウイは誕生日の日にちがエルヴィスと同じ(1月8日)ことを運命のように感じながら音楽の道へと導かれた・・・
 そんなエルヴィスのデビュー・アルバムの1曲目を飾る「ブルー・スエード・シューズ」。毛羽立って、履きこむほどに味が出る青い靴。反逆の精神の象徴でもあり、プライドの証でもある。だから、「♪何をしたっていいけれど、そいつだけは踏むなよ」。
 BESSも長年ブルー・スエード・シューズを履いてきた。家は資産という常識に対し「家は道具」と言い切り、性能の良し悪しに対し「好きか嫌いか」の価値観を打ち立て、家=モノの品定めのための展示場に対し「暮らし体験の場」としてのLOGWAYを展開し、お客様=神様という関係に対し「暮らしの楽しさを教えてくれるコーチャー」・・・今までの住宅業界がピカピカの革靴を履いた優等生の集まりなら、BESSはブルー・スエード・シューズを履いた一匹狼の不良かな。30数年履き続けて、おかげでけっこう毛羽立ってきたけど、靴底はまだまだ頑丈。これからも元気にステップ踏んでいくよ。

「吐露byBESS」
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