その他ヨーロッパ ログハウスの歴史

スイス、オーストリア、フランスのログハウス(アルプス地方)

フランス・サヴォア地方の住宅
フランス・サヴォア地方の住宅
「アルプスの少女 ハイジ」が住んでいる山小屋がログハウスであることはよく知られていますが、スイス、オーストリア、フランスを中心にしたアルプス地方では、古くからログハウスが愛用されてきました。間口が広く、ゆるやかな切妻屋根のログハウスのコテージは、今でもホテルなどの宿泊施設として親しまれています。ローマ時代のイタリアやギリシヤ、中世ヨーロッパの木造技術をさらに洗練させていったアルプスのログハウスは、ドアや窓のまわりに装飾を施すなど、独自のデザインを展開してきました。これらのデザインは、14世紀から16世紀にはすでに完成されたといわれています。

イギリス、ドイツのログハウス

イギリスをはじめとしたヨーロッパ先進国の家は、現在ではレンガなど石系の素材を用いたものが多く、ログハウスは建てられていなかったようにも思われますが、10世紀以前は、かなりの数のログハウスが造られていました。当時、木材は住宅だけではなく、薪や炭などの燃料としても多く用いられ、産業が発達した国ほど木材不足が深刻でした。そのため、10世紀ごろにはログハウスの建築はほとんど行われなくなったと思われます。代わって登場したのがフレーム構法。柱と梁に木材を使用した日本の在来構法に似た構法ですが、その構法も木材不足のため適わぬようになり、また、敵から身を守る防御能力の高さからも、石の建築文化が普及していったのでした。