北米 ログハウスの歴史

アメリカのログハウス

アメリカ・18-19世紀の農家
アメリカ・18-19世紀の農家
スペインを旅立ったコロンブスが長い航海の末、アメリカを発見したのは1492年。しかし、本格的な開拓はメイフラワー号に乗ってやってきた清教徒の大量移住による1620年以降のこと。主にイギリス人によってニューイングランド、ペンシルバニア、ヴァージニアと開拓を続けてきました。ログハウスの技術をこれら開拓者に教えたのは、1638年にデラウェアにたどり着いたスウェーデン人といわれています。すでに構法として確立していたスウェーデンのログハウス技術が、その後入植してきたドイツ人やスコットランド人などに伝わり、急速に伝わっていきました。森を開拓していたので木材がふんだんに手に入り、満足な工具がなくても造れるログハウスは、開拓民にとって都合がいい構法だったので、多くの建物がログハウスで建てられるようになりました。

カナダのログハウス

カナダ ケベック州 「シャトーモンテベーロ」
カナダ ケベック州 「シャトーモンテベーロ」
アメリカからカナダにログハウスの技術が伝わったのは、独立戦争(1775~1783年)の頃。独立戦争で大量の難民がカナダに渡ったのがその理由といわれます。この頃には、ログハウスの技術はアメリカ西海岸やアメリカ南部、北メキシコまで広がっていました。カナダで最初のログハウスが建てられたのは、東海岸のオンタリオ州といわれています。その後、カナダで徐々に広がり、西海岸のブリティッシュ・コロンビア州まで渡っていきました。世界最大のログハウスもカナダにあります。ケベック州にある「シャトーモンテベーロ」は、ログビルダー800人により丸太1万本以上使って1930年に完成しました。部屋数も210室と大きなホテルで、サミット会議が開かれたこともあります。
近年、大学教授であり、ログビルダーでもあったアラン・マッキー氏により開拓時代のハンドヒューンログハウスの良さが見直され、カナダの西部でログハウスがたくさん造られるようになりました。